目次

補聴器の音に早く慣れ、もう一度「音を聞く」ために

ご購入いただいた補聴器は、日々、お客様と共に生活をする良きパートナーになります。
補聴器を使えば、いろいろな音が聞けるようになり、たくさんの体験をし、毎日が楽しいものとなるでしょう。

しかし、難聴の程度や聞こえの度合いにより、個人差はありますが、一般的に補聴器を装用しても、すぐに昔のような聞こえが蘇るということではありません。

耳は感覚器官ですので、補聴器の調整がきちんと行われていても、すぐには補聴器の音に順応できない場合があります。
多少の時間はかかりますが、訓練を受けた私たちスタッフがとことんお付き合いさせていただきますので、ご安心ください。

大切なのは、「まず、一歩を踏み出すこと」「無理をしないこと」「諦めないこと」です。
少しずつ練習を重ねて補聴器の新しい音に馴染んでいきましょう。

最初は、今まで意識していなかった音が、うるさい雑音に感じることがあります

補聴器を使う練習は慌てずにゆっくり確実にこれまで補聴器をお使いになられていない方が、初めて補聴器を使用する場合、つけ始めてしばらくの間は違和感を感じたり、不快に感じるかもしれませんが、それは正常な反応です。

加齢に伴う難聴は、一般的には緩やかに進行していきます。
そのため、補聴器をつけて急に音が聞こえ始めると、しばらく聞こえていなかった音に対応するように、脳が再学習を行います。

補聴器をつけ始めた頃は、特定の音を大きいと感じることがあります。
冷蔵庫の冷却音が列車の走る音に聞こえたり、トイレの水を流す音が滝のように聞こえてしまうかもしれません。
ですが、心配しないでください。

こういった現象は、補聴器をつけ始めた初期の段階では起こりうることなのです。
しばらく経つと、聞きたくない音に対して脳が対応するようになります。
それまでは、あせらず、あきらめずに補聴器の装用を練習しましょう。

まずは短い時間から補聴器の練習を始めてみましょう

使う時間は、初めは短くせっかく補聴器を購入したのだから・・・と張り切って初めから長時間使うと疲れが大きく、頭痛がしたり耳鳴りがひどくなったりします。

最初は10分くらいから、一日に何度かつけたり外したりを繰り返してみましょう。

慣れてきたら、だんだんと補聴器をつける時間をのばすようにし、「ちょっと疲れてきたかな?」と感じたら補聴器を外して耳と脳を休ませましょう。

補聴器の3ステップ練習法

ステップ1:
家の中の静かなところで補聴器を練習してみましょう

まずは小さい音から慣れていきましょう

家の中など、割と静かな場所で「聞きたいと思う音」に意識を集中し、耳を慣らしていきましょう。
補聴器を通して聞こえてくるチャイムの音や新聞をめくる音、ドアの閉まる音など、今まで聞こえなかった生活環境音に耳をすませてみるとよいでしょう。

また、補聴器をつけると、自分自身の発する声が、少し違ったように聞こえます。
お気に入りの本や新聞の記事などを音読し、自分の声が補聴器を通してどのように聞こえるかを確認してみましょう。

ステップ2:
静かなところで、1対1の会話を練習してみましょう

急に数人で会話をすると、誰が何を話しているのかを聞き分けるのが困難な場合があります。
まずは雑音の少ない静かな部屋で、1対1の会話から慣らしていきましょう。
始めはゆっくりとしたスピードで相手の人に話してもらい、慣れてきたら普通のスピードで話してもらうとよいでしょう。

ステップ3:
慣れてきたら、いろいろな音を聞いてみましょう

1対1の会話に慣れてきたら、次第にいろいろな場所で、いろいろな音に耳を傾けるようにしていきます。
だんだん慣れてきたら、4~5人程度の少人数のグループ会話を聞き、今誰が話しているのかを注意して聞いてみます。
そして、自分自身も会話の中に参加するようにしてみましょう。

他にも、補聴器を練習してみる場面はたくさんあります

例えば・・・

  • テレビでニュース番組を観てみる
  • 家族と食事をするときに使ってみる
  • 公園で使ってみる
  • 近所を散歩してみる
  • 買い物をしてみる
  • 会議や会合、寄り合いで使ってみる
  • 車の中で使ってみる
  • お芝居や講演で使ってみる。

少しずつ、補聴器を使う場面を増やしていくのが、補聴器に早く慣れる練習のコツです。

補聴器の練習3つのポイント

補聴器に早く慣れる練習のポイントをまとめると、次の3つになります。

  1. 短時間から長時間へ
  2. 小さい音から大きな音へ
  3. 静かな場所からうるさい場所へ

それぞれ、状況に合わせて2週間~3ヶ月くらいの目処で補聴器の練習をしてみましょう。
最初からうまくいかなくても大丈夫です。
大切なのは、「まず一歩を踏み出す」「無理をしない」「あきらめない」ことです。

私たち専門スタッフも、しっかりお手伝いさせていただきますので、心配はご無用です。